寄り添うことの大切さ

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寄り添うことの大切さ

2024/04/10

認知症高齢者

社協スタッフ・SW

「寄り添うことの大切さ」

▲主任介護支援専門員 弓野幸会

福祉保健局で働いていた父親の影響で福祉の仕事の魅力を知り、母のすすめで福祉の仕事へ。特別養護老人ホームを経て東村山市社協へ。ケアマネジャー、相談員として10年間、高齢者支援に関わる。
現在は、認知症になった人の生活問題の相談支援、地域生活を支える体制づくり等を行う「認知症支援コーディネーター」の仕事をしています。

認知症高齢者の現実

高齢化が進む日本では、老老介護や8050問題(引きこもりの若者がそのまま中年になっても親の支えで生活を続けているうちに親も高齢となり、収入や介護などで親子ともに生活が困難になること)等の社会問題もある通り、介護を必要とする高齢者の生活問題は年々厳しくなっています。
私が関わってきた方でも、火の消し忘れでぼや騒ぎになったり、外出したまま行方不明になってしまう方もおられました。
また、家庭内では、昼夜の区別があいまいになり、介護する家族が寝不足になってしまったり、記憶力の低下でごみ出しの日が分からない、分別ができないなどで近隣住民とトラブルになることも、珍しくありません。
さらに、認知症を狙った訪問販売や詐欺などもあり、このような認知症に関わる生活問題に関する相談を受けたり、問題が起こりにくくなるような地域の支援体制づくりなどが求められています。

これからどうやって暮らしていけば・・・

ある日、認知症の妻と重度障がいがある一人娘をひとりで世話をしていたご主人が亡くなりそうという緊急の連絡が入りました。家族の生活の世話からお金の管理まですべてご主人が行っていましたが、なんの前触れもなく他界。妻であるA子さんは認知症があり、その日の食事の用意や娘の世話をすることも困難な状態でした。一家の大黒柱が亡くなり、途方に暮れている様子で「私、何もわからない これからどうやって暮らしていけばいいの」と切羽詰まった様子が伺えました。このままでは親子ともども共倒れてしまう。二人の生活を守るためには、ご主人が行っていた買い物や食事づくり、掃除、洗濯といった日常生活の世話を、代わりにしてくれる支援体制を一刻も早く整える必要がありました。すぐに様々な機関の関係者を集めてA子さんと一緒に話し合いを行いました。

まずは、当面必要になるサービスが提供されるように、A子さんの介護保険の認定申請とヘルパーの利用調整を行いました。同時に、今までご主人が行ってきた金銭管理や様々な手続きは、A子さん単独では厳しいということもあり、後見人の支援を受けられる手続きを進めていくことにしました。さらに、娘さんは糖尿病であるということもあって自宅で継続的に暮らすことが難しいということになり、施設入所についても話し合いました。こうして、A子さん親子は突然襲ってきた危機を何とか乗り越え、A子さんは現在も在宅で、娘さんは施設で生活しています。現在は、以前に比べてA子さんの認知症は進行しています。ヘルパーさんが来ることを忘れてしまったり、何もわからないA子さんに友人のふりをして近づき、飲食代を払わせようとする人がいたりしたこともありましたが、娘さんのことはいつも気にかけています。「今日は娘のところに行ってきたの」と、一人でバスに乗って面会に出掛けていくのが、今のA子さんにとっては何より大切な時間です。

地域で安心して暮らすために

自分で行うことが難しいことも、誰かのサポートで出来ることがあります。認知症の人が身近にいることは特別な ことではなく、誰もが支え手になれるように、そして認知症になったとしても、『叶えたいことを叶えられる』そんな地域づくりをしていきたいです。

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